あの映画「ジョーズ」のモデルとなった、米国のニュージャージー州で起きた事件。3人もの死者を出す大惨事となりました。
犯人と推定されたのはホホジロザメ。
今でもその生態についてはよく分かっていません。当時はそれ以上に未知で人間を食べるとは考えられていなかったのです。
事件発生後も、学者たちは別の生き物に襲われたか、船と衝突した可能性を示唆していました。
ニュージャージーの悲劇
1916年。アメリカ、ニュージャージー州の海岸で遊泳中の男性がサメに襲われて死亡した。
先述のとおり、当時はサメが人を襲うとの認識はなく、人間を襲う可能性があるホホジロザメは冷たい海には住めないと考えられていた。別の原因ではないかと研究者たちは主張した。
それから5日後。
約64キロ離れた海岸で、今度はホテルの従業員が泳いでいた所をサメに襲われた。ライフガードが助けだしたが彼は両足を失っておりそのまま死亡した。
この時、彼の無残な遺体を大勢の人が目撃し、新聞が大々的に報じたことから、この地方に客が訪れなくなり、観光産業は大打撃を受けた。
マタワン川襲撃事件
たて続けに犠牲者が出てから6日後。
再びサメが現れて人を襲った。
2人目の惨殺現場から約50キロ北。マタワン川の河口から約26キロ遡った上流。
川で水遊びをしていた近所の少年が、突然水中に引きずりこまれた。不自然に渦が巻き、水面が血で赤く染まっていった。一緒に遊んでいた友人達は急いで陸に上がり、大人達に助けを求めた。
「サメに襲われた」
現場に駆けつけた大人たちが少年を捜索したが、見つからない。
いったん引き上げようとしたが、捜索に加わった男性が最後にもう一度よく確認した所、川底でサメが少年をくわえているのを発見した。
彼は勇敢にもサメに殴りかかり少年を奪還したが、その代償は高くついた。今度は自身がサメに足を噛まれたのだ。
周囲の人々によってなんとか救出されたが男性は重傷だった。傷口からの出血が酷く、病院に運びこまれたものの治療の甲斐もむなしく死亡した。
この騒ぎのほぼ同時刻。
同じ川で、サメが現れたことなど知らずに近くで泳いでいた少年がサメに襲われていた。
彼も足に大怪我を負い、足の切断は免れないと思われたが、後に奇跡的に回復している。
最初に襲われた少年の遺体は後日発見された。
懸賞首のサメを探し出せ!
3人の死傷者を出したマタワンの住人達は怒りにかられてサメに懸賞金をかけた。
連日ダイナマイトを川に投げ込むなどして(ダイナマイト!)サメを捜索したが、見つかることはなかった。
犯人は本当にホホジロザメ?
マタワンの襲撃から2日後。
海で漁をしていた業者の船の網に2.5mほどのホホジロザメがかかった。
業者が殺したサメの胃を裂くと、中から人間のものと思われる骨がゴロリと出てきた。
このホオジロザメが一連の襲撃事件の犯人であると断定されたことから騒動は終息した。
このサメが本当に1匹で5人を死傷したのかどうかは不明だが、とにかく捕獲以降、人が襲われることは無くなった。
ニュージャージーのサメとは
マタワン川で3人を襲ったサメは、別のサメではないかという見方もある。
襲われた場所が河の上流だったからだ。
海ならわかるが、ホホジロザメが26キロも河を遡ってくるというのは疑問が残る。淡水域でも生きられるオオメジロザメ*1と考える方がしっくりくるが、今となっては真実を知る術はないー。
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*1:淡水域でも生息できるため、河にも入ってくる。その性質はホホジロザメと並んで獰猛。