ホラー&パニック。 サメ映画で有名な「deepblue」のレビュー記事です。
公開当時はサメのリアルすぎる動きや肌に世界中が注目しました。deepblueを観た後でB級C級映画を観るとそのCGの粗さに「ううむ」と悩んでしまうほど。公開からこれだけ月日が経った今でも高い評価を得続けているサメ映画の金字塔。
見どころ
- コックがオーブンでまる焼け?
- 相対性理論がロマンチックすぎる
- サメがロボット?
まずはストーリーをどうぞ。
1999年に制作されたアメリカ映画
「ディープブルー」
太平洋上の元アメリカ海軍の潜水艦補給所を改造して建設された医学研究施設アクアティカ。そこでアルツハイマー病を治すための薬を開発するスーザン博士。その薬とは施設で飼育されているアオザメの脳細胞を利用した物だった。
禁じられた遺伝子操作でサメを強くし、そこから取り出した細胞を薬に、という実験。開発に成功したものの強くなったサメは、頭まで異常に良くなり、人間たちを襲いはじめる…。
プロローグ
施設の生けすから逃げ出し、海に出たサメたちが舟遊びをしていた若者たちに襲いかかるところから映画は始まる。幸いにも追いかけてきたサメの番人により捕らえられケガ人は出なかった。
実験用のサメが逃げ出したことはすぐにニュースになり、施設を所有するキマイラ製薬会社の社長フランクリンは責任者のスーザン・マカリスター博士を本社によびだす。
社が受けるダメージを考え、すでに2億ドルを投資していた博士のサメ実験を打ち切るという彼に対し、スーザンは数日中に必ず結果をだすと言い切る。出なければ施設を閉鎖すると。その覚悟と研究によりもたらされる恩恵を天秤にかけ、フランクリンは彼女の意見をとる。
施設にもどる彼女に同行する、実験結果をその目で確認するために。
アクアティカ
太平洋上に造られた施設。今はスーザンたちがサメの研究所として使うその建物はアクアティカと呼ばれ、所員たちの部屋や研究室など大部分が海の中。
そして海とつばがる巨大ないけすの中では実験用のサメたちが飼われていた。
サメは全部で5頭。第一世代のつがい。その間に生まれた第二世代が3頭。
実験のために遺伝子を操作された第二世代のサメたちは人間並みに頭がよくなっておりこのとき恐ろしい計画をたてていた…。
嵐の夜
フランクリンが到着した次の日の夜、第二世代のサメを使った実験が行われた。サメの番人カーターがサメを麻酔銃で眠らせ、実験室に運びこむ。スーザンと同僚のジム博士がぐっすり眠っている第二世代の脳の一部をとりだし、それをアルツハイマー病の患者の細胞に与える。
結果はみごと脳細胞が復活し、病を治せるという確かな結果が出た。
一同は喜びにわく。けして治らないといわれてきた不治の病の特効薬ができるのだから会社としても大成功だ。フランクリンも笑顔で祝いの言葉をスーザンにのべた。
すべてはうまくいった…そんなお祝いムードを横目にモンスターが牙をむいた。
眠っていたはずのサメが突如、ジム博士に襲い掛かったのだ。ジムは右腕を食いちぎられた。
すぐに救助のヘリが呼ばれ、担架にのせられたジムはウインチでひきあげられるが途中でケーブルが切れて生けすの中に落ちてしまう。サメにケーブルを引っ張られてヘリは建物に激突。爆発炎上。アクアティカ全体に大きな衝撃が走る。
狩りがはじまる
ジムをヘリに任せた後、スーザンたちは海中の実験室に戻ってきていた。ここで唯一、建物の外にとりつけられた監視カメラの映像がみられるからだ。彼らが画面を通してみたのはヘリがアクアティカにつっこむ場面だった。直後に起こった大きな衝撃に全員、床にほうりだされた。
衝撃はすぐにおちついたが、監視カメラはもとよりコンピューターもすべて使えなくなっていた。電源が落ちたからだ。不安におちいる一同にさらにたたみかけるようにサメがジムを加えて現れる。すさまじい勢いで実験室の窓ガラスにたたきつけたのだ。
衝撃で窓が割れ、スーザンたちは逃げ出す。
なんとか水からは逃れたものの、この時点で建物全体が浸水し、その間からサメたちが内部に入りこむ。いつどこから襲われるかわからない状況でスーザンたちは水上にあがろうと歩き出す…。
コックがオーブンでまる焼け?
キッチンも水浸しになっていた。ひとりでいるところをサメに遭遇した黒人のコック、プリ-チャーはあわててオーブンの中に逃げこむ。しかし頭のいいサメは鼻先でメーターを回してしまう。たちまち温度が上昇。
「まじか」と呟き、プリ-チャーはもっていた手斧でガスオーブンの天窓を破り、脱出。ガスで充満したキッチンめがけてライターの火を投げつける。サメは爆死した。
残りは2頭ー。
サメがリアルなのは実寸大のロボットだから
映画の特典メイキングムービーを観て知ったのですが、撮影で実際にサメを使っているんですね。もちろん生きたサメではなく偽物のサメですが。
deepblueではハリボテのサメの中にコンピューターをいれてコントローラーで動かす。つまりロボットです。
ハリボテとはいえ、その道のプロが作りこんだ物ですから本物そっくり。プールの中を悠然と泳ぐ様はリアルのひとこと。それだけに途中、フランクリンとスコッグズが喰い殺されるシーンではCGの不自然さが際立った。
一緒に泳ぐのは偽物でもちょっと遠慮したいところ。なぜならパワーが強すぎるから。あるとき誤作動を起こして海面からはねあがりセットの天井を粉々に吹き飛ばしたんだとか。本物のシャークアタックではないですか。
CGが不自然だと書きましたが「ジョーズ3」などの粗い映画に比べるとキレイです。海の中ではほとんど分かりません。進歩したCG技術の美しさに本物そっくりのサメが見事にマッチした作品だといえます。
怖いかどうかは観る人にもよると思いますが、ディープ・ブルーは細部までよく作りこまれており、非常に海が美しい映画に仕上がっています。
そのタイトル通りに。
他のおすすめサメ映画
本当にあった動物事件