ホホジロザメとは。生態・生息地・狩りの方法・天敵・人間への被害。


ここではホホジロザメの生態について説明しています。ホホジロザメといえば人食いザメのイメージですが、それはハリウッドが作り出した幻。ホホジロザメという生き物について詳しく知ることで正しい知識を得てください。

ホホジロザメとは

ネズミザメ目ネズミザメ科のホホジロザメ属。本種のみ。
ホオジロザメとも呼ぶ。また側頭部が白いことから「白い死神」の異名をもつ。

サメの中でもっとも危険といわれる。海面近くを泳ぎ、エサを見つけると海中から猛スピードでアタック!

体長は最大で6.4m、温帯~熱帯の海に棲む。
エサは主にアザラシやオットセイなどの哺乳類。他にもイルカや魚、海鳥、クジラの死骸など。好奇心が強くエモノかどうか目の前のものを噛んで確かめることがある。

白い死神


ホホジロザメは海面近くを泳ぎ、アザラシなどのエモノをみつけると下から猛スピードで突進します。最高時速25キロから35キロにもなり、巨体によってくりだされる攻撃で相手をノックアウト!

またエモノを探す際に海面から顔を出した状態で体を回転させながら泳ぐことがあり、ホホジロザメ特有の行動とされます。
repetitive aerial gapingという。

死神たちの住処

ホホジロザメは亜熱帯から亜寒帯まで世界中の海に広く分布。
アメリカ、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、地中海、日本近海など。アラスカの海に出たこともあるという。

メキシコ~ハワイの深海にホホジロザメが集う海があるという。専門家たちからそのスポットは「サメカフェ」と呼ばれている。

サメカフェを見る

ホホジロザメの生態


ホホジロザメの平均的な体長は4~4.8m、体重680~1100㎏。過去には体長7m以上、体重2500㎏の個体が見つかったという報告もある。


サメの歯は何度も生え変わる。ホホジロについては約200本の歯があるという。
一見そんなにあるとは思えないが、実は歯の裏側に予備の歯がびっしりと備わっており、狩りなどで一本が折れると一列まるっと生え変わる。
生きている間に何度でも生え変わるという。


視力がよくないサメは代わりに嗅覚が大変発達しており、一キロ先の海に落とした血液一滴をかぎわけるという。

ロレンチー二器官


口の先にある軟骨魚類だけがもつ器官。皮膚にたくさんある小さな穴で中にゼリー状の物質が詰まっている。生物が発生する微弱な電流を感じてエモノを見つけることができる。


表皮には歯と同じ成分でできた小さくて固い鱗(楯鱗=じゅんりん)がついていて、刃物でも中々きれない。

内臓


サメには浮き袋がなく、脂肪分がつまった巨大な肝臓で水中で浮力を得ている。
大きさは種類により、深海で暮らすサメには体重の4/1ほどの大きさの肝臓を持つものもいる。

骨格


サメの骨格のうち硬い骨(硬骨)はあごの部分だけ。全身を支える脊椎(背骨)を含めて、すべて軟骨である。
お腹を守る肋骨(あばら)が無いので、イルカたちはサメを襲う時、真下から腹部を狙う。固い鱗でおおわれているが、イルカの固いヘッドで強打されてはホホジロザメもたまらないだろう。

天敵はシャチ


ここまでみると最強の生き物に思えますが、あくまでもそれは魚類として。同じシルエットでもイルカやシャチなどの哺乳類は知能もパワーも別格です。

とくに賢いシャチはホホジロザメを食べることもあり、その際はサメの体をひっくりかえして擬死状態にして抵抗できなくしてから食事を始めるという。