ホホジロザメが水族館にいない理由

様々な水棲生物を観ることができる水族館。オットセイにホッキョクグマ、ペンギン。可愛いですよね。海の生物ではホホジロザメも人気です。ところが、展示している水族館は世界にはひとつもありません。何故でしょうか?

 

ここでは水族館にホホジロザメがいない理由について解説しています。

 

 

なぜホホジロザメは水族館にいないの?

 

 

熊ちゃん

言われてみればいないね。どうして?

 

いくつか理由はありますが、一番の理由は「飼育が困難である」から。

 

ホホジロザメといえば人喰いザメのイメージが強いかと思います。つまり強靭で人間が倒そうとしてもなかなか倒れない。

 

であればどこでも生きていけそうなものですが、それはハリウッドが作りだした空想であり、キャストオフしたホホジロザメは実はとても繊細な生物。

 

クマ

ホホジロってけっこうデリケートなんだ

 

繊細すぎるぞ! 人喰いザメ

 

数が少なく見つけるのも一苦労なホホジロザメ。やっと見つけても網で捕獲することはできません。

 


エラ呼吸ゆえ泳いでいないと死んでしまうのだ

 

このことからホホジロザメを飼うには十分に回遊できる円形の巨大な水槽が必要になります。

 

水槽で飼うことはほぼ不可能

 

十分な広さがない水槽でホホジロザメを飼うとどうなるのか?

実際に島根や沖縄美ら海水族館で過去に挑戦した例がありますが、すべて失敗しています。

 

熊ちゃん

そんなに難しいの?

 

日本だけでなく、世界中の水族館がトライしてきました。ホホジロザメの飼育。

しかし2022年現在、その姿を生きてみられる場所はありません。

 

ホホジロザメを海から連れてきても、「エサを食べない」「元気をなくしてしまう」など問題が起こり、すぐに死んでしまうからです。

 

  • 捕獲が難しい
  • 呼吸困難になりやすい
  • 水槽では狭すぎる
  • エサ代がかかりすぎる

 

唯一アメリカのモントレーベイ水族館が、約6ヵ月に渡りホホジロザメを飼育するのに成功しました。

 

 

人類が水槽で飼えた期間は最高で半年

 

世界最高峰の呼び声が高いモントレーベイ水族館。強敵ホホジロザメを迎えるにあたり巨大な水槽を建設するところから始めました。

 

平均4.5mにもなる巨大なホホジロザメがストレスなく自由に泳げる環境が必要である、と考えたのです。

 


泳ぎ続けないと死ぬってマグロみたいだな。

 

そう、同じエラ呼吸なので海水をエラに通すことで呼吸します。

 

そこでモントレーベイは高さ10mの強大なサメのお家を造りました。この水槽には約380万リットルの水が入るそうです。

 


これなら飼えるね!

 

そう簡単にはいきません。

 

大食漢! エサ代がかかりすぎる!

 

体が大きなホホジロザメは食べる物もビッグサイズです。成長するとアザラシやオットセイなどを食べるようになりますが、それらを輸入するのに莫大な費用がかかることを考えると飼うのは現実的ではありません。

 

モントレーベイはこのことから2m以下の小さなお子サメを飼育対象に選んだ。

生後1年程度は主に魚を食べるので飼育にはうってつけですね。

 

うっかりさん⁉ 壁に激突してしまう!

 

体が小さいことも理由のひとつです。

ホホジロザメの遊泳速度は秒速25㎞。水槽にぶつかって怪我をしてしまう恐れがあるので小さければ小さいほどいいのです。

 

こういった工夫をほどこした結果、モントレーベイは飼育に成功。

 

ただやはりサメが水槽に激突して怪我をしたりと様々な問題が起こり、結局は半年で海に還されました。

ホホジロザメを飼育し続けることは困難である、という証明になったわけです。

 

水族館にいないのは繊細すぎるゆえ

 

まとめです。ホホジロザメが水族館にいない理由、それは「デリケートすぎて飼うことが難しいから」。

具体的な理由としては以下の三つ。

 

  • 回遊できる環境が必要
  • 成魚は大きすぎる
  • エサを調達できない

 

そもそもホホジロザメは気高い生物で人間に与えられたエサは食べません。生きたエサが必要になるため、成魚になると飼うことはほぼ不可能です。

 

海の王者を人間が飼いならそうと考えること自体、間違っているのかもしれません。

ホホジロザメは人間の作った水槽で飼えるものではなく、大海原だからこそ飼える生物なのでしょう。

 

cumacuma-cuma.com

cumacuma-cuma.com

cumacuma-cuma.com

cumacuma-cuma.com