今日はフカによる事件の特集です。古来より日本人とはきってもきれない仲のフカ。人間がモリで魚をついていた時代よりもはるか昔から、大海原をゆうゆうと泳いでいました。
フカって何だ?
フカフレ。
何のヒレ?
あ、サメ?
鱶(フカ)と書きます。
昔の日本ではサメもワニも一緒くた。
フカというのは両者をひっくるめた総称。
というわけで、今日はサメとワニの事件特集。どう頑張っても明るい内容にはならないので、血みどろな話が苦手な方はここで引き返してください。
フカの食害事故
まずは海に棲むフカ。
サメは魚類の頂点にたつ存在です。
アジやヒラメと同じ魚だといわれてもそんな風には思えませんよね。
でも先述のとおり中華スープになったり、日本でも肝油やかまぼこの原料などに使われています。意外と身近な「お魚さん」。
そんなお魚さんに、わたしたちが抱くイメージは食材というよりも「怖い」「襲われる」ではないでしょうか。
危険な海のフカ(サメ)
映画ジョーズでいちやく世界のヒールになったホホジロザメ。その後もdeepblueが公開されて恐怖の対象に加えられたアオザメ。
動物のパニック映画でいちばんタイトル数が多いのは「サメ」ですから、それだけ我々が抱く恐怖は強いのです。
「人食いザメに襲われる…」と。
実際にはそれほどヒマではないサメたち。
好物のあざらしや魚をとるのに夢中です。
たまにまちがえてサーファーやダイバーに噛みつくことはありますが、最初から狙って襲う訳ではありません。
とはいえ危険はある。
大型のサメはそれだけで脅威です。
空腹時は目の前の生き物が食べられるかどうか噛みついてから判断するので、できれば近づきたくないところ。
また機嫌が悪い時はお腹がすいていなくても攻撃することがあるのでやはり遭遇は避けたい。
ここでは艦艇インディアナポリス沈没時に海に脱げ出された米海兵たちにサメの群れが襲いかかった話を紹介します。
戦時中は日本軍もワニに襲われたもんな。
血の匂いをかぎつけてやってくるんだろうな。
艦インディアナポリス。写真はウイキペディアより
インディアナポリスの悲劇
第二次世界大戦で
活躍したアメリカ海軍のポートランド級重巡洋艦インディアナポリス。
大統領ルーズベルトを何度も乗せた栄誉ある艦艇ながら日本軍の攻撃でフィリピン海に沈んだ。
1945年7月26日。
テニアン島へ原子爆弾や物資を運んだ後、レイテ島へ向かった。
7月30日。
フィリピン海で日本海軍の潜水艦・伊58号に見つかり攻撃を受ける。雷撃6発中3発が命中。沈没した。
乗組員1199名のうち約300名が攻撃で死亡。
残り900名は8月2日に哨戒機によって発見され、5日間かけて救助されるまで救命ボートなして海に浮かんでいた。
水、食料の欠乏、海水での体温低下、それによる幻覚症状(低体温症)で多数が死んだ。
さらに死体に群がるサメに生存者たちは怯えながら悪夢のような5日間を耐え抜いたという。
映画ジョーズの作中で語られるインディアナポリスの沈没です。
やっぱりたくさんサメに食べられちゃったの?
いや、犠牲者の多くは力尽きて海中に消えていったらしい。
何人がサメに食べられたのか、もはや確かめる術はありませんが、生き残ったのはわずか300名あまりでした。
対する日本軍も空母を率いての空戦が主戦でしたので、飛行機が海に落ちると同じ恐怖が待ち受けていました。敵の銃弾に撃ちぬかれる恐怖とフカに喰われる恐怖、どちらがマシだったのでしょうか…。
次は川のフカ。
海を渡る淡水域のフカ(ワニ)
古来、日本ではワニもフカに含まれます。
何故ワニもフカなんだろう?
昔の日本人にとってワニもサメも海からくる生き物で、なおかつ似た姿をしていたからではないでしょうか。
何言ってんの? 海にワニはいないよ?
一部のワニは海を泳ぐのです。
たとえばイリエワニ。
名前の通り入江に生息しており、海水への耐性が強いことから沖に出て島から島へ移動することがある。
そうなの? でも日本に野生のワニはいないでしょ?
ワニは海流にのって泳ぐんだが、流されてしまうことがあるんだ。
実際に日本の奄美大島や西表島、八丈島などで発見されております。
古事記「いなばの白うさぎ」に出てくるワニ
古事記にもその姿が描かれていました。
ウイキペディアより引用
これは何の絵図なんだ?
因幡の白兎(いなばの白うさぎ)です。古事記中に登場する神様とウサギの話。
わかりやすく漫画にまとめましたのでどうぞ。
画中に出てくる『フカ』はサメの姿で描かれることもあります。
712年に編纂された古事記。時代に生きていた人々にとってワニもサメも、畏怖すべき大いなる存在だったのでしょう。
ところかわって米国ではハリケーンにまきこまれて流れ着いた事例もありました。
浜辺で途方にくれるワニ▼
写真はCNNより引用「テキサス州海岸で淡水ワニを発見、海上を600キロ以上漂流か」
どうやって帰るのかな。
さあ。
このようにワニの本場、アメリカでは野生のワニによる逸話がいくつもあります。
アメリカアリゲーターの事件
大型ハリケーンが到来したルイジアナ州。
家の前を歩いていた男性がとつぜんワニに襲われ、命からがら家に逃げこんだ。奥さんが手当をするも、男性のケガはひどく一刻を争う状況だった。そのため、彼女は助けを求めにボートで外へ。男性は自宅で救援を待っていた。
奥さんが救助とともに家に戻ると夫は消えていた。
消えたって旦那さんはどこへ…?
気になる方はこちらの記事をどうぞ。
ナイルワニの事件
人喰いワニならギュスターヴだろ?
そう、今まで数百人を食べたといわれるブルンジのギュスターヴ。
世界三大獣害事件に数えられる史上最悪のマンイーターです。
戦時中、川に捨てられた兵士の遺体を食べていた。食べすぎて体が重くなりすぎたために野生の動物を狩ることができなくなった。そのために家畜や人間を襲うようになったのではないかといわれているギュスターヴ。
そのお話。
フカ事件まとめ
というわけで今日はフカと呼ばれる生き物について解説しました。当サイトではアンビリーバボーな動物を多数紹介しています。