グリズリーの食害事件で撮られた米国カップルの悲鳴が恐ろしすぎて震えた。


ここではアメリカで起きたグリズリー(灰色熊)の食害事件を解説しています。被害者は2人。クマが大好きな男性とその恋人。米国で有名な『グリズリーマン』事件です。

前編はこちら


ティモシー・トレッドウェル
アメリカのクマ保護活動家。
クマと心を通わせていたが、最期は喰われた。

何故ティモシーは死んだのか


ティモシー・トレッドウェルは毎年、国立公園の沿岸*1でキャンプをして初夏を過ごした。クマを見るためだ。


彼は観察対象であるクマに異常に接近することで知られており、時にはその身体に触れたり、子供のクマと遊んだりした。

「いつも熊に注意して行動しており、この行為は動物との信頼を育むものである」
と本人は主張。

また遭遇したクマを名付け、毎夏一貫して同じクマを観察することで「彼らとの永続的な関係を築いている」のだそうだ。



クマに異常に近づいていた


日本でヒグマといえば北海道。エゾヒグマの性質をよく知る方ならこの言動がどれだけ危険かお分かりになるだろう。

あのムツゴロウさんでさえ、ライオンに指を食べられた。

人間は理解しているつもりでも、いやたとえ本当に理解していたとしても野生の本能というものは獣自身にさえどうすることもできない。

ヒグマは子供のころから人間に育てられていてさえ、ある時期にとつぜん野生の本能が目覚め、獰猛な性質になる。

親も同然の飼い主を頭から食べてしまう、そういう生き物だ。

飼い主をたべたヒグマの話

アラスカの地にて

ヒグマのことを知りつくしていたはずの男。だが彼のまわりから聞こえてくるのは常識外れの言動に対する呆れの声であった。

公園のルールを守らない


「ティモシーはあらゆる公園のルールを破っていた。クマとの距離、野生生物への嫌がらせ、自然のプロセスを妨害する。彼の個人的な使命は公園の理念と矛盾していた」

アラスカの生態研究学者は証言する。

「ティモシーの死は悲劇だが、容易に予見できたことだ」と。

6つの問題行動


ティモシーが熊と過ごした数年間、何度か混乱が起きている。
アメリカ合衆国国立公園局は彼や彼の団体の行動に懸念していた。

というのもティモシーはよく問題を起こす人物だったからだ。
当局の資料によると少なくとも彼は6つの違反行為をしている。

  • 無免許で観光客を案内した
  • 制限を超えて同じエリアでキャンプ
  • 不適切な食料の保管
  • 野生動物への嫌がらせ
  • 訪問者やガイドとの衝突
クマよけの道具も持たない


また、キャンプ周辺に電気柵を設置することを拒否した。
熊除けスプレーの携帯も拒否。
身をまもる術を自ら捨てていた。

実はティモシーは以前、熊よけスプレーを使用したことがあった。

「それでクマが苦しい思いをし、私の胸も痛んだ。だから使わないし携帯もしない」

結果的にこの理念が彼から命をとりあげることになった。




ティモシーの最期の日


その日、ティモシーは恋人と共に国立公園を訪れた。
国立公園は野生の動物が暮らす広大な大自然。

恋人のエイミー嬢はグリズリーを怖れていたという。その警戒心は非常に正しかった。恐れが現実になった時の彼女の恐怖と痛みは、いかばかりだったか。

ティモシーはクマを恐れる彼女をなだめ、は川の近くにキャンプ・インした。

クマに食べられて亡くなった


13年間クマに接してきたティモシー。
この日がいつもと何か違っていたとしたら、それは彼が例年公園にいる時期よりも遅かったという点だ。

秋。クマたちは冬になる前にできるだけ多くの脂肪を体に蓄えようと食いこむ。夏季よりも増して食べ物を欲するため攻撃的になっていた。

しかもこの時、ティモシーと親しいクマたちはすでに冬眠に入っており、他の場所から見知らぬクマが移動してきていた。冬眠に耐えられるだけの栄養が確保できずに食べ物を探していたと思われる。

つまりティモシーの言うように「彼と信頼関係を築いたクマたち」はおらず、彼のことを知らない、食べ物に飢えたクマが徘徊していた。

亡くなる数時間前にティモシーが撮影した最後の映像の中には、鮭を求めて何度も川に飛び込んでいくクマの姿が写っていた。

ティモシーはその映像の中で、「その熊の近くでは全く安心できなかった」と述べている。
肌で危険を感じとっていたのだ。

灰色熊
遺体の発見現場


翌日、ティモシーがあらかじめ頼んでいた迎えのヘリが到着。
パイロットはティモシーとエイミーの元に向かったが、彼らのキャンプ地にその姿はなく、ただ熊がウロウロしていた。

地元の公園管理者に連絡が入る。
調査の結果、バラバラになった遺体の一部が発見された。残りはヒグマにより、ほぼ食べられたとみられた。

キャンプ地とその周辺にいたハイイログマ2頭がレンジャーによって射殺された。
カトマイ国立公園85年の歴史上において初めての熊による殺人だった。

それは最期の声?


現場でティモシーが使用していたビデオカメラが発見されている。
警察の発表によると、6分間のテープにはヒグマがティモシーを襲い殺害した時の叫び声が記録されていたという。

※音声がネットに流出。


筆者

私も聴きました。ネタ上では誰かが作ったフェイクテープではないかといわれていますが、そうであることを祈りたいほどリアルで、吐き気がしてきたので途中で視聴をやめました。
真偽はともかく、ああいう死に方はしたくない。心底からそう思いました。なお今は削除されていて聴くことができません。



グリズリーの危険性について


ヒグマは稀に人間を食べることがある。

それはヒグマの専門家であったティモシーもよく理解していた。

だからこそパーク側も口を酸っぱくして「不用意に近づくな。せめて撃退スプレーを持て」と注意していた。

ふつう野生の熊は人間を怖がって近寄ろうとはしないが、食べ物に困ると狙ってくることがある。

川で魚をとろうとしていたことからも問題のクマが食べ物を求めていたのは間違いないし、実際に二人は食べられている。

ヒグマが本気になったら人間が走って逃げきることは不可能。
トップスピードはあのウサインボルト氏よりも早い。

車で逃げるか、銃でもない限り、この状況で助かるのはまず無理だっただろう。


ティモシーの言葉


私は文明が嫌いで、都市にいるより自然の中でクマと一緒にいる方がいい

野生の熊との初めての遭遇で、人生を賭けた仕事と言うものを見つけた。今まさに、自分の運命が熊たちとからみ合った事を知った。


▼他の獣害事件の記事はこちら
cumacuma-cuma.com
cumacuma-cuma.com
cumacuma-cuma.com
cumacuma-cuma.com
cumacuma-cuma.com
cumacuma-cuma.com


記事を書いたクマはX(旧Twitter)におります。こんな記事が読みたいなどのご要望がありましたらお声がけください。

クマのTwitterに飛ぶ⇨

*1:「ハイイログマの聖域」と呼ばれる場所。