今日は世界いち危険な鳥だ。
ワシ? 鷹?
違います。ハゲタカでもカラスでもありません。世界の危険生物の鳥部門で一位の呼び声が高いのはこの鳥。
ヒクイドリ。
飛べない、巨体、走るのが早いという点ではダチョウと同じ。
鋭く大きい爪は他の獣を切り裂くことができるため、慣れ合うのは遠慮したいところ。
この記事を読むと分かること。
- ヒクイドリの生態
- 最新情報
- 日本幕府との関わり
- ヒクイドリの獣害事件
生息地
まずは生息地から。野生のヒクイドリがいるのはインドネシア(ニューギニア島、アルー島)、オーストラリア北東部、パプアニューギニア、セラム島。
生存率1%の過酷な環境
主に熱帯雨林に棲んでいます。近年では雨林が減少しているためにその個体数が減り、絶滅が危惧されているヒクイドリ。
雛鳥が生きのこる可能性は1%以下ともいわれる。
参照:オセアニア自然紀行
オーストラリア北陸部で2500頭が確認されていますが、他の地域では正確には何頭いるのか分かっていません。
日本とヒクイドリ
和名は火食鳥(食火鶏)。むろん火を食べるわけではなく、のどの赤い肉垂が火を食べているかのようにみえることからそう名付けられた説。
ダチョウと間違われた
日本にもちこまれたのは江戸時代初期。寛永12年(1635)に平戸藩※から江戸城に献上された。記録には「ダチョウ」とありますが、残されたスケッチがこちら。
引用元:『馬込と大田区の歴史を保存する会』ホームページ
あきらかにヒクイドリですね。
……幕府はどこで飼ったんでしょう?
ヒクイドリ同様に献上されたダチョウは江戸城内で死んだという記録が残っているので、もしかしたらこのヒクイドリも徳川公のお庭にいたのかもしれませんね。
※ひらどはん/現在の長崎県
和名は火食鳥
黒い羽毛に赤い肉垂、青い首に大きなトサカをもつヒクイドリ。
火食鳥/食火鶏
学名はCasuariuscasuarius
鳥綱ヒクイドリ目ヒクイドリ科ヒクイドリ属。
別名オーストラリアヒクイドリ、オオヒクイドリ。
地球上で二番目に重い鳥
ヒクイドリ目の最大種。地上で2番目に重い鳥類で体重は最大で85キロにもなる。体長は最大で190cm。ちなみに1番目はダチョウです。
時速50キロで走り、ジャンプ力もある。高さ2mまで跳び上がることができます。
凶器になる鉤爪
刃物のような10cm~12cmの爪。丈夫な脚は鱗に覆われている。武装は完ぺき。
用心深く臆病な性格である一方で気性が荒い。人や犬を殺す力がある。
ヒクイドリに人間が殺された事件
2019年4月12日、フロリダ州に住む男性が飼育していたヒクイドリに襲われて死亡。
マービン・ヘイオスさん(75)が自分の農場でヒクイドリを繁殖していた。地元当局はヘイオスさんが転んだ際にヒクイドリに攻撃されたのではないかとみている。
この危険な鳥獣を1万8千年前には人間が飼育していたという。
1万8千年前に飼育されたか
危険な生き物ではあるが、ひよこ同然にすりこみが可能なので飼育すること自体はできるようです。ニューギニアで見つかった卵の化石から1万8千年前には人類がふ化させて成獣になるまで育てていた痕跡が見つかったという。