熊の動物事件、今回は北海道が舞台です。これまでヒグマによる事件を多数紹介してきましたが、すべて過去の話でした。2022年3月22日現在、現在おきている話です。
北海道はいい所だよね〜日本屈指の観光地
食べ物も新鮮豊富♫
そんな自然の実り豊かな北海道を震撼させている事件をご存じでしょうか?
オソが現れたー。
オソ?
北海道に現れたモンスターだ。
オソは2019年から北海道東部で放牧中の牛を襲っている。
今までに被害に遭った牛の頭数は2年あまりで55頭。
推定体重400kg、立ち上がり手をあげると体長は3mにもなるという。
200kgの牛を真っ二つに両断してしまう怪力。
そんな巨大な生物、この日本にいたっけ?
かつて蝦夷地(北海道)に現れて開拓民を次々に襲い、7人を胃におさめたモンスター。
三毛別事件のヒグマは体長2.7m、体重340kgの巨体であったという。
あ…。
2019年、7月に初めて牛が襲われた。
その場所が標茶(しべちゃ)町下オリツベツという地名だったこと、現場に残されていた前脚の足跡の幅が18㎝だったことからこう呼ばれる。
OSO18
同年7月16日。
厚岸セタニウシの町営牧場で牛3頭が死んでいるのが見つかり、ヒグマによるものと見られる爪痕や腹を噛まれた跡があった。
その後もたて続けに襲われ、1か月の間に同様の事件が4件も続いた。
被害を防ぐために町営牧場は放牧していた牛を舎飼にいれるなどして避難させたが、オソは凶行を続けた。
2022年。
今年に入ってすでに15頭の牛が襲われている。
その正体は巨大ヒグマ
今は2月、クマは冬眠中の筈だろ?
三毛別ヒグマ事件の犯人も冬眠せず、冬に凶行におよんだ。
ヒグマの体が大きすぎて冬眠用の穴を見つけられなかったのですが…。
そもそも冬眠はエサがなくなる冬を生き抜くためにするもの。
エサがあれば冬眠する必要もない。
オソが巨体を維持できているのは鹿などのエサが豊富にあるためと考えられている。
北海道のヒグマ事情
近年、北海道ではヒグマの目撃情報が増えています。
その原因のひとつが放牧地
昔に比べて日本人がよく牛乳をよく飲むようになり、バターなどの乳製品の需要も増加しました。市場拡大にともない乳牛の飼育数も増え、飼うための牧草地帯も広がった。
自然に棲むクマとの距離が短くなり、クマが牛の匂いをかぎつけるため、被害が増えるというわけです。
ん? 2019年?
気がついたか。
いま2022年だよね。まだ捕まってないの? 駆除の対象だよね。
むろん。
酪農家や牧場に大きな損失が出ていますからね。
(育成牛、一頭あたり約50万。飼育にかかる費用は年間で75万以上)
見込んでいた収益もなくなる。
漁師さんが船を失うようなものです。
ないと仕事ができない。
また家畜を襲っているということはそれを飼う人間と遭遇する可能性も高い。
なのに何で捕まえないの?
オソは捕まらないのです。
人に害をなす前に対処しようと標茶厚岸の両町が動き、北海道猟友会の支部も協力してオソを追いました。しかし捕まえることはできませんでした。
オソの特徴
オソは明らかに他のヒグマとは違います。
- エモノに執着しない
- 内臓だけを食べる
- 食べないのに殺す
- 罠が効かない
- 異常に用心深い
エモノに執着しない
オソは食べ物に執着しないんだ。
クマの特徴として「食べ物に執着する」というのは知られています。
「拾った物はオレの物、奪った物はオレの物、オレの物もオレの物」という。
ジャイアンみたいなやつだな。
ちなみに奪い返そうとするとぶん殴られます。
奪い返した大学生たちがヒグマに追い回されて3人の死者が出た話
ヒグマは平均2mの巨体ですから維持には相当のエネルギーが必要で、食糧に固執するのは自然なことといえます。
そのため、エサを見つけるとその場所に戻ってくる習性があります。
しかしオソは戻ってこない。
食べ物に執着しないのです。
内臓だけを食べる
オソの特徴②
牛の肉や内臓をほんの少しだけ食べて後は残していく。
クマの専門家は「食べるために殺しているというよりはいたぶっているようだ」と述べた。
そんなことある? サイコパスみたいな
サイコパスが誤解されるからよせ
食べないのに殺す
クマには食べきれないエサを地面に埋める習性もあります。保存食にするんですね。
オソはこれもしない。
いつでもエサがとれるとでも言いたげです。
罠が効かない
これまでオソを捕獲するためにヒグマ対策用の罠を設置してきた同町。
しかしオソは罠にかからない。
どころか、目撃されたことすらないのです。
これまで50頭以上もの家畜を襲っているにも関わらず人に姿を見られていないのです。
ジェボーダンの獣みたいだな…
肉眼で視認されたことはないが、一度だけ2019年に標茶町が仕掛けたカメラに写りこんだことがある。その姿がこちら。
毎日新聞より引用
後ろにあるのは人間が仕掛けた罠。
その前を悠々と歩くオソ。
余裕が感じられますね。
UMAなどではなく現実に存在しているのはご覧の通り。
罠にかからない理由について地元の漁師は「おそらく幼少期に他のクマが罠にかかるところを見て学んだのでしょう」と話す。
オソは罠の仕組みを理解しているという。
異常に用心深い
でもデカいと目立つだろ? 何で見つからないの?
人を避けているのです。
クマは鼻がいい。
犬の7倍あるという嗅覚でうまく人を回避しているなという感想です。
こちらからは分からなくても、向こうは人間の位置が手に取るようにわかる。
人に見つかれば殺されると理解しているのかもしれません。
OSO18まとめ
両町だけでは対処しきれないとして、現地にはOSO18捕獲対策推進本部が設置された。
北海道、クマの専門家が集まり、オソを捜索。
19年から2年あまり。
未だにオソは捕まっていない。