2022年1月5日、栃木県那須町の那須サファリパークで、飼育員の男女3人が虎のボルタに襲われて負傷した。うちひとりは右手を失う重傷。他2人も頭を噛まれるなどして頭蓋骨を骨折。ただし命に別状はない。
この施設で肉食動物による咬傷事故は3度目。安全性に疑問の声があがっている。
今回は虎? 以前にもやったね。
野性の虎ではなく動物園で飼われている虎の話だよ。事故は1月5日に那須サファリパークで起きた。
現段階で分かっている事故の経緯と原因、トラのボルタに関する情報を集めました。
那須サファリパーク咬傷事故
2022年1月5日、朝。
女性飼育員(26)が開園前にベンガルトラのボルタを屋外の展示スペースに出そうとしたところ、職員通路で虎と鉢合わせ、叫び声を聞いて駆けつけた飼育員2人も襲われた。
獣医師が虎を麻酔銃で眠らせてから飼育員を救助、最初に襲われた女性はドクターヘリで、残る2人も救急車で搬送された。
女性は右手首を切断、他のふたりも裂傷や頭蓋骨を骨折するなどの重傷を負ったが、命に別状はなしとのこと。
………。
事故を受けて警察や県はどう対処したのか見てみよう
自治体や国の動き
1月5日のうちに栃木県の動物愛護指導センターが那須サファリパークに対して再発防止を求める行政指導を行う。
また大田原労働基準監督署も立ち入り調査。
2日あけた1月7日。
同県警捜査一課が同園に業務上過失傷害容疑で家宅捜索に入った。危機管理マニュアルや飼育員の出勤簿などを調査。
那須サファリパークでは1997年、2000年にも飼育員がライオンに噛まれる事故が発生。当時の園長らが労働安全衛生法違反容疑で書類送検されている。
「当時はマニュアルも実践が不徹底だったが今は改善されている」と園の責任者は語っている。「今回はヒューマンエラーが重なっておきた」と。
警察は「同じ施設で同じような事故が起きており、安全管理がずさんだったとみて捜査している」という。
捜査中の警察がここまでいうって中々じゃない?
それは捜査であきらかになるだろう。ひとまず原因だ。
事故の原因は確認不足?
事故の原因はなんだったのか?
園によると、1月4日の閉園後に別の担当者が虎を獣舎に入れたかどうか確認していないという。虎は昨日から通路にいた可能性があるとして警察が捜査している。
那須サファリパークとは
次は事故が起きた那須サファリパークについて
何度も事故が起きてるんだよね
同園は約70種類、約700頭の動物を飼育。ホワイトライオンやベンガルトラといった肉食動物、カバやシマウマ、アフリカゾウなどの草食動物がメイン。
過去に2度、飼育員が業務中に肉食動物に襲われ重傷を負う事故が起きている。
1997年の事故
1997年11月、女性飼育員と実習生がライオンにエサやり中、傍らにいたメスライオンに襲われ、重傷を負った。
労働安全衛生規則に違反した疑いで同園長が警察当局に書類送検されている。
なんでライオンが傍らにいるの?
さあ。その後、同園では対策として肉食動物の餌付けに関する詳細なマニュアルを制定した。
しかしそのわずか3年後にまた事故が起きた。
2000年の事故
2000年12月25日午前。20代の飼育員がライオンゾーンに設置された柵を清掃中、14歳のメスライオンに頭や胸を噛まれて一時重体になった。
動物園てこんなに事故が起きるもん?
群〇サファリパークは多いイメージがあるが…それ以外は何度も名前をきくということはないな。
ふつうは事故がおきたら厳戒態勢になるよね。
そりゃ…自社の存続に関わるからな。
原因を究明し、其れを基に新しいマニュアルが作成される。従業員に安全教育が徹底される。これは動物園に関わらず、どの業種でもそうだと思いますが…。
事故を起こした虎のボルタ
ここで今回3人の飼育員を襲ったベンガルトラについて。
名前はボルタ。オス・11歳。体長約2m、体重は約150㎏。とても珍しい特徴があり世界に30頭しかいないゴールデンタビー。
▼ゴールデンタビー
ウィキメディア・コモンズより引用
今年の干支が寅ということで、記念イベントでは人気を博していたといいます。
ゴールデンタビー?
突然変異種により金色になったトラのことです。ストロベリータイガーとも呼ばれる。
ふつうの虎は縞々模様が保護色になっている。
自然では周囲の光景にとけこむため敵から発見されにくい。片やゴールデンタビーは隠れることができない。
その美しい金の毛並みから、全国の動物園が参加する「推し虎グランプリ」という来園者の人気投票ランキングで第1位に輝いたボルタ。とうぜん那須サファリパークを訪れる人々に人気があったという。
トラの生態を詳しく知りたい方は末尾の記事を読んでくれ
今回の事件を受けて那須サファリパークはしばらく臨時休園するという。
最新情報
2022年1月18日
日本動物水族館協会はこの事件の原因が、虎が獣舎に入ったかキチンと確認しなかったことが原因であると結論をだした。
また17日、同協会に加盟する全国の関連施設139か所に動物が獣舎にいるか目視確認など基本動作を徹底するようにと通知を出した。