クマの動物研究

動物事件とブログ初心者を研究中

神野寺虎脱走事件とは。約40年前の日本で起きた猛獣との恐怖の夏休み。

こんにちは、クマです。
日本の猛獣についてまとめていく「クマの動物研究」。
今回は「トラ」です。

はい、ばん!

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タイガー


おう迫力。
でも愛らしい。
ネコ科のコって何でこう可愛いんでしょうね。猛獣界のアイドル。

ちなみにクマは虎年。
関係ない?
失礼こきました。

今から40年ほど前に千葉県で起きた虎の脱走事件。
お寺で飼育されていた虎が3頭、市街に解き放たれたという驚きの実話をとりあげます。

それでは開園!


目次

虎が飼育できた時代

虎ときくと動物園をイメージするのではないでしょうか。
今の日本では他にお目にかかれる場所はほぼ無い。
海外のようにお金持ちが自宅で飼育する、なんてことは日本の法律上ほぼ不可能だから。

でも、知っていましたか?
昔は個人でも虎が飼えたんです。


個人で虎を飼う。
大丈夫なんでしょうか?

そりゃあ動物園で飼われているんですから知識とお金と人材と危機管理能力があれば、飼育は可能でしょう。堅固な檻と専門知識と経験豊かな飼育員さんを雇い、日々の管理をしっかりと行えば。

でもそれ、もう小さな動物園ですよね…。

今回、猛獣を飼っていたのはお寺の住職さんでした。

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神野寺虎脱走事件

(じんやじとらだっそうじけん)


1979年8月2日

千葉県君津市にある鹿野山神野寺から飼育されていたベンガルトラが脱走した。虎は1ヶ月近くも脱走を続け、最期は射殺された。
という事件。
それでは時系列でみていきましょう。

事件発生


当時、神野寺の境内には動物園が設置され、客を集めるために多数の動物を見せ物にしていたといいます。特に干支にまつわる動物を集めていたことから別名「十二支園」とも呼ばれた。
確かに、虎も十二支の一つですね。

合計12頭も飼育されており(12頭!)その管理は住職が行なっていた。

8月2日の夜

寺の職員が虎が入っている檻の扉が開いていることに気づいた。
12頭のうち3頭が姿を消していた。
逃げだしたのだ。

翌3日未明

千葉県警に通報が入る。

脱走した虎たちはいずれも1歳のベンガルトラ。
動物園でよく見られる種類ですね。
1歳で体重は90〜100 kg程度。
体長はおよ150 cm。
性格は極めて獰猛なのだそう。

3頭の虎のうち1頭はすぐに自分で戻ってきたため、ことなきを得ましたが、ほかの2頭は脱走を続けた。
逃げたのはオスの虎とメスの虎が1頭ずつ。

事件発生を受けて警察は現地対策本部を設置。警察官をはじめ、機動隊や猟友会員、消防隊員まで合計500人を動員。虎の行方を追わせた。

寺のある君津市を中心に虎の脱走を告げる有線放送が流され、即座に市民に対して外出禁止令が発令されたほか、交通規制も行われた。

事件当時、寺の周辺には民家が80世帯ほど存在していました。
トラが民家に入り一般市民が犠牲になる可能性があったので、効き目の薄い麻酔銃ではなく猟銃がもちだされた。

射殺やむを得なしという判断がくだされていたのです。

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1頭目の射殺


事件発生から2日後の8月4日、それまで山合いにいると思われていた虎が、突然市街地に姿を現した。
捜索人員が800人程にまで増やされ、そして同日、神野寺付近の山中を捜索していた捜索隊達が、辺りをうろつく1頭の虎を発見。寺から逃げたメスの虎だった。

虎が捜索隊に接近したため隊員は即座に発砲。4回の攻撃で虎は死亡した。

残るはオスの虎1頭。
捜索隊は気をひきしめてふたたび捜索に向かいますが、ここで問題が。
トラを手にかけた捜索隊に対して、世間は強く非難したのです。

「あんな可愛い存在を殺すなんてどういう神経してんの! 虎殺し!」
てな感じです。

虎射殺の報が伝わるやいなや、動物愛護団体をはじめ、ネコ派の方々に捜索隊は激しくバッシングされた。


不思議なものです。
かつてアメリカで少年がサメに襲われた時。
メディアをはじめ、世間は声をそろえて「サメを殺せ」と叫び、あたかもサメが人類の敵のような論調にまでなった時と真逆。

顔つきの悪い魚類とキュートな哺乳類ネコ科の差でしょうか。
人間は体温の高い生き物に愛情を感じるといいますが、サメ好きの私にとってはちょっと哀しい。
サメもいいものですよ…皆さん。
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まあでも分かりますよ。可愛いですもんね。
しかしいくら可愛いとはいえ、虎を逃してしまったお寺の住職さん、ペットの射殺に対してクレームをつけたそうな。

当然、捜索隊はこれに激怒しました。
「てめーが逃したんだろ、可愛いならちゃんと檻にいれとかんかい!」
ってな感じでしょうか。

実は捜索隊の方々、射殺したその日からご自宅に電話がかかってくるようになったのだとか。どこから漏れたのか、隊員のお宅の電話番号が流出。ひっきりなしに非難の電話がじゃんじゃんかかってきたのだそう。

恐ろしい時代です。今なら大問題。
そんな大迷惑を被りながらも朝から晩まで黙々と捜索されてい方々、無神経な住職の抗議についにキレた。
一度、捜索の手を止めざるを得なくなった。

ついに最初の犠牲が…


人間たちがもめている間に3週間以上が経過しました。
もう1頭の行方は判らぬまま。
市民たちは外に出られず、子供たちも夏休みを自宅にこもってすごしていました。

そして事件発生からおよそ1ヶ月後の8月28日。
ついに事態が動きだします。 


『市街で被害が出た』との一報がー。

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この続きは第二部で。
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