神野寺虎脱走事件
事件の概要
約40年前の千葉県君津市。鹿野山の神野寺で飼育されていたベンガル虎が二頭脱走。人間との追いかけっこの結果、一頭は人の手にかかって倒れました。残るは一頭。
被害が出る前に人は猛獣をとらえることができるのか?
※この記事は後半です。前半はこちら
神野寺トラ脱走事件
虎を探しはじめてすでに一か月。
一か月もの間、トラが街で行方不明。現代ではちょっと考えづらいですよね。市民たちの恐怖はいかばかりだったか。
そしてついにトラが市街地に現れます。
捕食された犬
とあるお宅のご主人が、飼い犬の鳴き声をききました。
尋常ではない鳴き方に庭に出てみると、そこに繋がれているはずの愛犬の姿がありません。
ちぎられた鎖と首輪。
地面には犬とは比べものにならない大型獣の足跡。その後、警察が血痕と犬のものと思われる毛を発見。
人間に飼い慣らされた虎が狩りを覚えた。野生の本能に目覚めたのです。
この出来事は市民に知らされ、危険を肌身で感じた市民は一段と強い恐怖にさいなやまれた。
次は人が襲われるー。
誰もがそう思ったでしょう。
あわ立つ恐怖
飼いならされたトラも山の中でひとたび狩りの喜びを知れば人をおそうのは時間の問題です。
生けどりか。
射殺か。
二分した世論にゆられていた捜索隊もついに決断しました。反対意見は多いが生け捕りではなく射殺が妥当だと。
警察はとくに射撃の腕が良い警察官達を捜索隊に派遣。武器も通常弾より殺傷力の高い銃弾が投入されました。
対策本部は猟犬・数頭を使って、山狩りを決行。
トラを捕獲する作戦に出たのです。
犬はトラの捜索に不向き
しかし、犬は使えないのではないかという意見も現代にはあります。何故ならトラやライオンなどのネコ科の動物には汗腺が無いため、体臭がほとんどしないから。
つまり嗅覚に優れた犬でもトラの居場所を特定することはできないということで、当時はあまり知られておらず、現に虎を見つけたのは人間でした。
最期の時
捜索隊が山間を捜索中にオスの虎を発見。
選抜隊により発砲された弾丸は大きな身体にヒットし、虎はそのまま息を引き取った。
26日間 に及ぶ大規模な虎脱走事件はこうして幕を閉じたのでした。
神野寺トラ脱走事件のまとめ
人間の都合で見世物にされ、人間が逃がしたために害獣にされた。最期は撃ち殺されるというトラからすれば理不尽な事件でした。
その後、神野寺の住職が社会的制裁を受けたのは言うまでもありません。一方で猟友会の方々は市民の安全を守るために仕事をしたのに悪役にされて被害をこうむりました。
虎を殺すなんてひどい!
ー市民の声
確かに
虎には可哀そうなことでした。
しかし猟友会が仕留めずに人間に被害が出ていたら「なぜ虎をすぐに殺さなかったのか!」と糾弾していたでしょう。それが日本社会です。
麻酔銃を使って生け捕りにすればよかったんだ!
ー市民の声
こういう意見もありますが
麻酔銃はうちこんですぐに効くわけではありません。意識を失うまでにタイムラグがあります。銃弾を受けて逆上した虎が捜索隊にとびかかれば被害が出る可能性があった。月並みな言い方ですが、仕方がなかったのです。
唯一の救いというべきか、この事件により法律が改正され、虎などの猛獣を個人で飼育することができなくなりました。
「クマの動物研究」では他にも最強の大型猛獣ヒグマの事件や海の捕食者サメによる事件を多数とりあつかっています。
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