クマの動物研究

副業ブログと猛獣事件を研究しています。

北海道の日高山脈カムイエクウチカウシ山で起きたヒグマによる獣害事件(2)

福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件の後編です。



🌫前回のあらすじ🌫🌫🌫🌫🌫🌫🌫🌫🌫

福岡大学ワンダーフォーゲル同好会のメンバー5人が北海道の山を登る途中でヒグマに遭遇し、執拗に追いかけられる。完全に敵だとみなされており、命の危険を感じた学生たちは逃げるため夜の山道を下り続ける。

前半はこちら▽
福岡大学 ワンダーフォーゲル ヒグマ - クマの動物研究
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福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件

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夜の山道でヒグマに追いかけられる


【目次】

夜の山でヒグマに追いかけられる

夜の山には街灯など当然ない。
重たすぎる闇の中、突如、獣の獰猛な唸り声と共に大きな影が現れた時、青年たちの恐怖はいかばかりだっただろうか。

ヒグマはまずEを襲って絶命させた。
彼らは一目散に逃げたが、その途中でCがはぐれてしまった。

その夜、ABDの三人はガレ場で夜を過ごした。

※ガレ場=岩壁や沢が崩壊して大小さまざまな岩や石が散乱している斜面。

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深い霧に閉ざされた山の中で
第二の犠牲者

27日早朝、深い霧に覆われ、視界不良。
それでも三人は可能な限り急いで山を下りようとした。
そんな彼らの前に、ヒグマはまた現れた。

Aが標的となり、襲われて死亡した。
BとDは逃げ延び、下山。五の沢砂防ダムの工事現場に駆けこんで車を借り、18時に中札内駐在所へ到着した。2人は助かったのだ。

はぐれたCの行方

仲間とはぐれたCは山中をどう歩いたのか鳥取大学グループが残したテントに逃げこんだ。彼はシェラフに潜りこんだという。
悪夢から逃れようとしたのかもしれない。
目を閉じたら全ては夢で、目が覚めたら仲間が周りにいる。
自分は悪夢を見ているのだとー

翌朝、彼はヒグマに襲われて死亡した。
死ぬ間際まで、その時の様子や心境をメモに綴っていたようだ。

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救助隊が山に入る

救助隊がカムイエクウチカウシ山に

28日、帯広警察署、十勝山岳連盟、猟友会などからなる救助隊が編成された。カムイエクウチカウシ山などの日高山脈中部は入山禁止になり救助隊が若者を救うべく出発した。
Cがすでに絶命していることなど知らずにー。

翌29日、早朝から捜索していた救助隊は14時45分ごろに八の沢カールの北側ガレ場下で、AとEの遺体を発見した。

ヒグマの最期

同日16時半ごろ、ヒグマはハンター10人により射殺された。
3歳の雌でさほど大きくはなかった。

30日にはCの遺体も発見された。雨天で足元が悪いことから遺体を下におろすことができず、31日17時に3人の遺体は火葬にされた。
3人を殺害したヒグマは解剖されたが、体内から人間は出てこなかった。

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ヒグマが5人を追いかけた理由とは

事件の解明

以上が事件の経緯となります。
いかがでしたか?

恐ろしかったですか?。
こういう獣害事件を調べる時、いつも思うのです。

ヒグマは怖い。
なぜこんなに怖いのか。
それはヒグマが何度も執拗に人間を狙うからです。

ヒグマが人を追う理由

今回の事件については謎の部分が多い。
とくにヒグマが彼らを追いかけた理由についても。
遺体にはかじられた痕跡はあったがただ食べるためというのは考えにくい。自分の荷物を奪われ、人間を敵とみなしたという可能性もあります。


そしてヒグマはどうやって彼らを追いかけたのでしょうか。
舞台は闇に閉ざされた山の中。
何も見えない中で正確に人間達を追跡、見つけ出しています。

前半でも書きだしたとおり、これはヒグマの特性によるもの。

  • 嗅覚が犬の7倍
  • 耳もいい
  • 夜も活動する
  • 春~夏は生活圏を広げる

記載のとおり野生のハンターは人間の何倍も優れた超感覚を備えていますので、夜の山であっても追跡は可能なのです。

そして山は彼らの庭。冬眠から目覚める春から以降、夏は生活領域を広げるのでその点においても運が悪かったのかもしれません。

どちらにせよ、獲物を狩るモードになったヒグマから逃れることは至難の業であったでしょう。

50キロ~60キロで走るヒグマ。車に乗るか、猟銃をもったプロの熊撃ちでないかぎり、生き延びることはできません。

ふたりが生還したことが奇跡なのです。


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