12人もの人間を害したマイソールの人食い熊。クマ事件を専門にあつかう『クマの動物研究』も注目のこの大型熊害事件。何があったのかを詳しく解説しています。
単体で人を襲った事件としては世界最大の被害
マイソールの人食い熊
マイソールという都市近郊で起きたことからそう呼ばれる。12人が死亡した世界最悪の熊害事故。1957年刊行ケネス・アンダーソンの著書に掲載されている。
マイソールを震撼させた事件
インド。インド亜大陸の大半を領しつつインド洋に面する連邦共和国。南部のカルナータカ州で2番目に大きな都市マイソール。人でにぎわう街の近くで事件は起きた。
アシケレという町近くの岩場で熊が巣を作り、畑の食べ物をあさりはじめた。この熊こそ事件を引き起こした張本人で種類はナマケグマ。
ナマケグマ。それは私たち日本人に馴染みのあるヒグマやツキノワグマよりも小さな存在です。
ナマケグマ
哺乳網ネコ目(食肉目)クマ科ナマケグマ属。本種のみでナマケグマ属を構成する。
インド、ネパール、バングラデシュ、ブータン、スリランカなどに生息。
体長は平均140-190cm、体重80-145㎏。
頭部は大きく、全身は漆黒の毛でおおわれている。毛皮は黒いが、褐色や赤褐色の個体もいる。
胸部にはアルファベットのU字やY字の斑紋。
目や耳は小型で鼻は長い。
小柄で可愛い見た目だが、長く鋭い爪をもつ。
残忍な殺人事件
作物を狙うクマと追い払おうとする人間の間で攻防が続いていた。
人々からすれば大事な作物を奪う害獣。対するクマも食べなければ死んでしまう。マイソールのナマケグマは思うように食べ物を得ることができないストレスからついに牙をむいた。
事件発生
鋭利な爪と強力な歯で攻撃、人間の顔を執拗なまでに狙った。判別ができないほど損傷された人もいたという。命からがら逃げのびた人々も目や鼻を失った。
襲い来るクマの恐怖に街は恐怖のどん底に突き落とされた。
狩猟家に討伐を依頼
この話を後世に残したケネス・アンダーソン。
彼はインド生まれのスコットランド人で作家で狩猟家でもあった。
その腕前は確かでインドで同様に人々を襲っていた豹をしとめるなど英雄譚になるほど。化物を前にしても冷静に銃口を定める度胸があった。
マイソールのクマに恐怖した人々はこの英雄に助けを求めた。
駆除にのりだしたアンダーソン
依頼を受けたアンダーソンが現地にかけつけるも、この時、件のクマと邂逅することはできなかった。
巣穴をのぞいたり、被害があった場所の付近を探ったが、クマは現れなかった。
自分を狙う存在を本能で感じたのかもしれない。
事件の幕引き
マイソールの事件から一か月後。今度はアシケレから離れた別の町で人間が襲われ始めた。
一報を聞いたアンダーソンはすぐに現地に赴いた。
そこにはクマの攻撃を受けて倒れた人々が…。
近くにクマはいなかったが、アンダーソンはここで仕留めるつもりで猟銃をにぎった。
そして夜になるのを待った。
彼が予想した場所にクマは現れた。
アンダーソンが放った銃弾を胸に受けてマイソールの化け物はついに倒れた。
事件を起こしたナマケグマ
ナマケグマの白く長い爪。
爪で木にぶらさがり、ナマケモノを連想させることからこの名がついたという。
アリの巣を探るのに適しているが、人間に向けられると大変危険だということがこの事件をみると分かる。
他のクマ同様に雑食性
主にシロアリを食べるが、他の昆虫や鳥の卵、花、果実、ハチミツも食べる。人間はメニューには載っていないがいちど人の味をしめると人間ばかり襲うようになる。これはナマケグマに限った話ではなくヒグマやツキノワグマも同様。
オリッサ州では1990年-1995年に66人、マディヤ・プラデーシュ州では989-1994年度に607人がナマケグマによって死亡する事故が起きている。
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