世界最悪の火災都市、江戸。今ほど防災意識や避難に対する知識がなかった時代、さまざまな理由からよく燃えた。ここではそんな火の町・江戸と火災防災の歴史について触れていきます。
江戸時代、とにかく火災が多く、中でも明暦の大火では多くの死者が出ました。
引用:ウイキペディア*1
地獄と化した浅草門
牢獄から解き放ちになった罪人たちを「集団脱走」と勘違いした役人が門を閉めたため、多くの避難民が焼き死んだ。その数は2万人ともいわれ、暑さにたえかねた人々が塀をのりこえて堀に転落した。
大都市の市街の大部分を何度も消失する、というケースは世界的にみても珍しく、江戸という町がいかに燃えやすかったかがわかります。
なぜそんなに火災が多発していたのでしょうか?
江戸と火事
江戸時代に起きた大火災にはどのようなものがあるのでしょうか。日本の歴史上、地震と戦争を起因とするものをのぞけば最大の死者を出した明暦の大火にくわえて、天和の大火、文化の大火を日本三大大火と呼びます。
江戸時代の主な大火は以下。いずれも1000人~10万人以上の犠牲者を出した大火災。
- 桶町火事
- 明暦の大火
- 振袖火事
- 天和の大火
- 勅額火事
- 中堂火事
- 水戸様火事
- 六道火事
- 宝暦の大火
- 明石家火事
- 明和の大火
- 行人坂の火事
- 文化の大火
- 車町火事
- 文政の大火
- 甲午火事
関ヶ原の戦いから大政奉還まで。
徳川の時代267年の間。
江戸では49回の大火が発生。
小火も含めると1798回にものぼる。時代を追うごとに、つまり江戸の人口が増えるにつれて火災も増加していった。
なぜ火事が多かったのか?
なぜここまで火事が多かったのか?
主な要因として4つのことがあげられます。
まず江戸っこの気質。
歴史の研究者によると江戸の人々の中には大火を喜ぶ人が少なからずいたのではないかという点。
生活文化も大きく関係しています。照明や調理にろうそくやたいまつ、薪などの火をとりいれていた点。
また火事が起きた際に燃え広がりやすかった環境でもありました。人口の増加で家屋が密集していて、さらに建物は木と紙で出来ているという。町そのものが燃えやすかったという点。
そして放火が多かったという点。
江戸っこの気質
火事と喧嘩は江戸の華。
という言葉の通り、火事は起きるもの、起きて当たりまえ、避けることができないものというのが当時の町人の認識でした。
防災意識が希薄だったことが伺えます。
とはいえ大火が発生すれば莫大な補助金や補修費用がかかるため幕府は楽観視してはおらず、明暦の大火以降、火消を制定したり火除け地を作ったりと町の防災対策をうちだしていきます。
裸火の多い生活
江戸がよく燃えた原因。
2つ目は生活に火をとりいれていたこと。
当たりまえですが、現代のように電気やガスはありません。お風呂をわかすのもご飯を作るのも部屋の明かりもすべて直火です。
ろうそくやたいまつなど火がむきだしだったり、紙灯篭のように和紙で囲っていたりと、安全面からみて非常に心もとない環境でした。
燃えやすい家屋
今も昔も東京は人が多い。
江戸の町には膨大な数の人が住んでいましたから平屋が密集していました。
それも家屋は木造。
木と紙という燃える素材で作られているので、近くで火事が起きたら火の粉がふりかかって移り火でもらい火事、なんてことも珍しくありません。
火事には瓦屋根が効果的ですが、高価なため一般の家屋は木の板で造られていました。
放火が多かった
江戸がよく燃えた原因、最後は放火。
華やかな町である一方、犯罪も多かった。火事場泥棒といい火事の騒ぎにまぎれて盗みを働く者がいた。
他にも奉公人による主人への不満、報復、男女関係による怨恨が原因の放火も多かった。
江戸時代の防災対策
火事が増えるにつれて復興資金も爆増していったので、幕府は常に対策をうっていました。特に明暦の大火では10万人を超える被害者を出し、江戸の6割以上を失う大惨事になったので以降は本格的に火災対策にのりだします。
町の不燃化を目指して、火災に強い都市造りが推進された。
火除け地や広小路が設けられ、建物の屋根には瓦ぶき、土蔵造りといった耐火構造の採用が命じられていった。
▼お上の命令
- 風呂の水は朝までぬかない
- 風呂を焚くのは夕方6時まで
- 花火は河原でだけ
- ゴミを焼くの禁止
当時一般家庭にお風呂はありませんからみんな銭湯に行っていた。銭湯や風呂がある家庭は火事が起きた時に備えて水をためておく、花火はあげるのも作るのも市街では禁止(隅田川はOK)、ゴミ焼いたら燃やすぞというお達しが幕府より徹底された。
こうして徐々に防災都市へと変わっていったのです。
江戸と火事のまとめ
というわけで今回は江戸と火事についてまとめました。火事事件については下記記事を参考に。
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*1:Terajima Ryōan (寺島良安, Japanese, *1654, †?) - scanned from ISBN 978-4-642-08583-0., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9473920による