怖い獣害事件を紹介するクマの動物研究。今回は北海道特集。ヒグマの聖地である北の国には恐ろしい人喰い熊の話がいくつもあります。三毛別羆事件や石狩沼田事件など。
「北海道」というエリアに限定してヒグマ事件をご紹介します。
※悲惨な事例ばかりなので閲覧には十分にご注意ください。
北海道のヒグマ
北海道といえばヒグマです。日本にはツキノワグマと2種類が野生に生息しており、ツキノワグマは九州をのぞいてほぼ全国に分布、ヒグマは北海道のみに生息しています。
北海道。
かつて「蝦夷(エゾ)」と呼ばれ、開拓するために本州から多くの人が船で渡りました。
彼らが目にしたのは自然の野山。
手つかずの大地でした。
未開の地をいちから切り開き、耕し、畑を作り、街を造った。それが発展したのがいまの北海道です。
極寒の地での生活は今も昔も壮絶なもの。さらに彼らは寒さと同時にそこで暮らす先住者たちとも渡り合わなければならなかった。
そう、ヒグマです。
ヒグマと人間の事故
蝦夷地に生息していたヒグマ。
彼らの住処である山を切り開いて都市を造ったのは人間です。
当然、開拓で出会う機会が増え、事故になることもあった。
伝説のヒグマ『袈裟懸け』
ここからは実際の事件を紹介していきます。
ヒグマの熊害事件で真っ先に挙がるのは間違いなく『袈裟懸け』でしょう。
日本史上最悪の被害を出した熊害。
(世界の獣害事故ワーストでも18位にランクイン)
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10人の死傷者を出した大惨事になりました。
ぞくにいう「三毛別羆事件」です。
袈裟懸けというのは模様のことで、この事件を起こした犯人であるヒグマの胸から背中にかけて生えた白い毛が袈裟懸けのようにみえることからつけられたあだ名でもある。
ヒグマは全身が筋肉で出来ているため攻撃力が強い。
加えて、食べ物に対する執着心が非常に強い生き物です。
寒冷地という食料が限られる場所に棲むため、そして冬眠のために晩夏から秋にかけて食べ物を喰いこまなければなりません。太れなければ冬眠中に死んでしまうので熊も命がけです。
三毛別の羆もそうした経緯でエサを得るために村を襲撃しました。
詳細はこちらをどうぞ。
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村田家を滅ぼした狂乱の悪魔
三毛別羆事件についで日本史上2番目の被害を出したとされる石狩沼田幌新事件。
楽しい祭りの夜が地獄に変わった。夜道でいきなりヒグマに襲われた村田兄弟は殺される。逃げのびた人々は農家に逃げこむが、追いかけてきたヒグマにより村田の母親が捕まってしまう…。
ヒグマにつれさられながらふるえる声で念仏を唱えていた彼女は、その後、変わり果てた姿で発見される…。
野性の獣というよりは悪魔のような残酷な所業。オカルトじみていますが、これも実際にあった話です。
事件発生後、猟師たちが集まりますが、ヒグマを討伐する過程でも死傷者が出ました。詳しい内容はこちら▼
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牛殺しのOSO18
いまリアルタイムで北海道を震撼させているヒグマがいます。
約2年前から放牧中の牛を襲うようになり、これまでに50頭以上が犠牲になりました。
このヒグマの怖い所は「人に見られたことがない」ということ。
人の目をかいくぐり、牧草地や牛舎を襲っているのです。内臓のない牛の死体が見つかるたびに人々は恐怖。
事件が起き始めてから現地では猟友会やクマの専門家が集まり、対策本部を設置。
行方を追いますが、それをあざわらうかのように牛の死体が次々に見つかります。
唯一隠しカメラにその姿が映っており、映像を見た人々は息をのみました。
体重400㎏はあろうかという巨獣ー。
現場の地名と、みつかった足跡の横幅が18cmもあったことから「OSO18」と呼ばれるように。
令和4年2月19日現在、OSO18はまだ捕まっていません。
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北海道が抱える問題
さて最後はヒグマが棲む北海道が頭を悩ませている問題について。
- クマを殺す観光客問題
- クマの出没増加問題
知床が抱える観光客問題
自然ゆたかな知床。ヒグマもまた観光客のめあてのひとつであり、全国からカメラを片手に人々が集まります。
しかしクマというのは人間との距離感をはかるのが難しい生き物です。端的に言うと人間に慣れたクマはもう「次の人喰い」として殺処分されてしまう。
観光客が「可愛い」「写真をとりたい」と縮めた距離が、クマを殺すのです。
クマをほうっておけば被害を受けるのは地元住民なので自治体も動かざるをえません。
スマホで写真をとっただけ、エサを投げて与えただけ、遠目に眺めただけ。観光客にとってはただそれだけの行為でも、地元住民にとっては悲劇の入口になる。それはここまで紹介した事件を見ればお分かり頂けると思います。
ぜひクマへの認知度を上げるために読んでみてください。
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札幌市が抱えるクマ増加問題
札幌市では2022年、クマの目撃情報が過去最多になりました。森林伐採や都市開発などで人間との距離が物理的に近くなったクマが同じ理由で少なくなった食べ物を求めて人里におりてくるようになった。
住宅街を闊歩し、ゴミをあさる姿が目撃されています。
これはそんな中で起きた事件。街中を走り回り、住民や自衛隊員に怪我をさせたクマは最後、射殺されました。
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