アンビリーバボーな動物。今日は狂犬病だ。
狂犬病。世界で毎年5万人超が感染して亡くなる恐ろしい病。被害の95%はアフリカとアジアで発生しており、お隣の中国でも年間3000人が亡くなっている。今日はそんな中国で起きた非人道的な狂犬病対策。
非人道的ってどういうこと?
2008年に開催された北京オリンピック。
開会式で夜空に花火が打ち上げられる景色は壮大で素晴らしかったので記憶されている方も多い筈。
引用:中里のひとりごと
あの絢爛豪華な開会式を行うために、狂犬病が蔓延する中国で行われた「ある対策」をご存じでしょうか?
ある対策? 何?
解説していくが、愛犬家の方はご注意を。
※一部に残忍な表現が含まれるため気分が悪くなる恐れがあります。閲覧注意。
狂犬病とは
狂犬病ってどんなもの?
名前はきいたことあるけどよく知らない、という人は多いかもしれません。日本には無い病気ですからね。
狂犬病
ウイルスの一種で動物を介して人間に感染。海外では年間5万5000人が亡くなる感染症であること、海外からペットを輸入することもあり、根絶した今でも予防接種が義務付けられている。
また狂犬病源体になるのは輸入動物だけではない。
すべての哺乳類が感染するため、野生のコウモリやキツネなどが感染源になる可能性も。他に猫、タヌキ、サル、アライグマ、アナグマ、イタチなども感染源になる。
致死率100%の狂犬病
どんな病気なの?
その名の通り気がふれる。
狂い、騒ぎ、暴力的になる。全身の筋肉がマヒし、最後は呼吸障害で死亡。
致死率はほぼ100%。
発症したらまず間違いなく死にます。
ひいいい、コロ君より恐ろしいじゃないか。
狂犬病はワクチンで防げるが、発症したらおしまいだ。
予防接種で防げる病気
事前に予防接種を受けていれば助かるので渡航する際は最低でも2回ワクチンを接種したいですね。日本政府は3回を推奨しています。
発展途上国にはワクチンはおろか、病院すらないような地域もありますから海外旅行に行く際は十分に気をつけたいですね。
中国がやらかした話
でも中国は経済大国だし大丈夫でしょ?
中華人民共和国にはペット、食用犬など1億5000万匹の犬が飼われているといいますが、そのほとんどが未登録。さらにその数倍の野犬が生息しているとみられている。
2006年、約3000人が狂犬病で死亡。
さ、3000人⁉
人口が14億人だからなあ。少ないとみるべきか?
ちなみに世界で最も狂犬病の被害が多いのはインド。こちらも人口はほぼ14億人。人が多い、自然が多いと、野生動物との接触も増えるので被害が増えるようですね。
また狂犬病の野生動物に家畜が噛まれて発症、そこから飼い主に感染するケースもあるようです。
中国の狂犬病事情
ワクチン接種はできないのかな?
日本では犬・猫以外に家畜にもワクチン接種が行われますが、人口が多い中国では飼育されている家畜の数も桁が違う。加えて貧困の問題もあり、手が回らない様子。
家畜どころかペットすら管理できていないのが実情。
お家のワンちゃんは予防接種しているのかな?
実施率は0.5%。防疫効果はほぼゼロ。
そんな中国が本気で狂犬病対策に乗り出したのは2006年。2年後に控えた世紀の大祭典「北京オリンピック」にむけて国内から感染症を排除しようとやっきになっていた。
そんな状況下で起きた事件。
※ここからは閲覧注意。気分が悪くなる可能性があります。
五輪のために「邪魔者」を排除した
2006年7月、雲南省牟定県では市中に蔓延する狂犬病の対策として。すべてのペット、野犬、食用犬(約5万匹)を殺処分した。
……は⁉
ペットには狂犬病予防のワクチン接種をすませた犬も含まれた。生き残ったのは対象外であった軍用犬と警察犬のみ。
処分の保証金はわずか5元だったという。
日本円で約100円
処分て何⁉ ワクチン接種すればすむ話なのに何で殺すの⁉
ちなみに狂犬病予防のワクチンは一回で1万6000円ほど。
中国のお財布事情が原因なのかどうかは知りませんが、とにかく5万匹の犬が殺処分された。
しかもその処分方法がひどい。
ほとんどが撲殺であったという。
飼い主の目の前で処分したり、飼い主自ら処分するように命令し、従わなければ飼い主を処罰。
ぼ…ぼくさつ?
殴り殺すこと
や、やめてええ!
可愛がっているペットを飼い主に殴り殺させる。拒否すれば処罰。
この拷問ともいえる「措置」に全世界から非難が殺到した。
当たりまえだよ! 犬をなんだと思ってるんだ!
問われる倫理
日本でも万博を開催するにあたり、敷地にいたホームレスを「外観が悪いから」とむりやり追い出して家を奪ったりもしました。
平和の祭典のために罪のないものを「邪魔だから」と排除する。現代のオリンピックがお金の祭典だと揶揄されるわけです。
中国がやらかした結果
強硬な措置が功を奏したのかどうか、2020年の中国での狂犬病による死亡者数は300人以下にまで減っている。ただ中国のことなのでどこまでが本当かは分かりません。この数字を確定とするのは本記事では避けたいと思います。
気分が悪い!
落ち着けよ。ほら、犬を大事にした将軍様の話はどうだ?
▼中国と真逆の犬公方
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