今日は妖精譚からコティングリー妖精事件をご紹介。彼のアーサー・コナン・ドイルが騙されたことで有名な話。
あなたは妖精を信じますか?
そも、日本人には馴染みがない「妖精」。日本でいえば妖怪や神様がごちゃまぜになった幅広い存在です。本場・欧州では人魚も妖精ですし、ムーミンのモデルとなったトロールやドラゴンも妖精。
そんな妖精を実際に見たという少女たち。
証拠として取られた5枚の写真に英国中がくぎ付けとなりました。
コティングリー妖精事件
The Case of the Cottingley Fairies
19世紀の英国。
女王陛下が統治し、発展めざましく華やかな時代。
ブラッドフォード近くのコティングリー村に住む2人の従姉妹、フランシスとエルシーが妖精の写真を撮ったと話題になった。
妖精事件はこの写真の真偽をめぐり起きた論争や騒動のことをいう。写真は後に2人の捏造であったことが判明している。
フランシスとエルシー/引用元:ウイキペディア
1917年7月。
妖精がフランシスといる写真をエルシーが撮った。
2人の少女は妖精が踊っているところを1917年~1920年の3年の間に5枚撮影した。
どんな写真?
小さい人の姿で、1920年代の髪型、薄い服をまとい、背中には大きな羽があった。
また別の写真にはノームが写っていた。
ノームのイメージ画/ウイキペディアより
土の妖精ノーム。
炭坑や洞窟に棲み、三角帽子をかぶって鉱夫の姿をしている。
写真の妖精は身長30センチ程度でエリザベス朝時代の格好をし、背中には羽があったという。
妖精事件の真相
妖精の形をした平らな紙が使われたという。
周囲の背景や人物がシャッターがおりる際にわずかに動くため輪郭がぶれる当時のカメラ。妖精の輪郭がやけに明瞭であったことから作り物ではないかという指摘が当時からあった。
それから長い年月が経過し、当時出回っていた子供向けの本(purincess mary's gift book)の中に写真とそっくりのポーズをした妖精の絵が掲載されているのが分かった。
1915年初版刊行の本であり、1917年に従姉妹が撮影したことを考えるとやらせの可能性が高まった。
絵本の絵を模写して切り抜き、帽子留めのピンで固定していたことを元少女たちは告白した。
しかし5枚目の写真だけは死ぬまで本物だと言い張った。
当時多くの人が妖精が実在する証拠としてこの写真をみた。その中にはシャーロックホームズシリーズの著者として知られるドイルもいた。
ドイルの評判を失墜させた事件
アーサー・コナン・ドイル。
説明する必要もないほど世界的に有名な探偵シャーロックホームズを生み出した小説家。オカルトマニアとしても知られており、この妖精の写真に強い興味を抱いた。
そしてまわりの協力を得て写真が本物かどうかを検証。
結果、本物であると雑誌に発表した。
写真が捏造であったことから、ドイルの科学的研究能力への評判を失墜させることとなった。それでも本人は晩年まで「写真は本物だ」と主張したという。
コティンググリー妖精事件
というわけでコティングリー事件を紹介しました。当サイト「クマの動物研究」では幻想生物から自然の危険生物まで扱っています。
ドイルの著書に興味があれば読んでみてください。