食品売り場でこんな経験ありませんか?
「おひとつどうぞ」とすすめられて、特にその商品を欲しいとは思わなかったが、試食して断ったら悪いので、ひとつ買ってしまった。
これは【返法性の原理】という人間の性質を利用したマーケティング手法。
人は他人から何か物やサービスを受けた時、お返しをしなければならないと考える。
これを【返法性の原理】といいます。
もうひとつ例をみてみましょう。
わたしと熊ちゃんが話しています。
ねえ熊ちゃん。この最高級ハチミツ、一万円で買わない?
一万円…高いなあ。ハチミツは好きだけど…
そ、そうか。そうだね…ごめんね
これならどう? 500円のハチミツ。安いよ!
(いらない…。でも断ってばかりじゃ悪いし…)
買うよ。
ーこれも【返法性の原理】を利用した商法。
高額な商品を先にだして断らせておき、後から安い商品を紹介する。
一度は断った熊ちゃん。相手が安い商品に切り替えてくれたのだからこちらも譲歩しなければ、と考えた。
自分が譲歩することで相手にも譲歩させる。こういった心理を利用した交渉術を譲歩的依頼法。
「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」と呼びます。
……わたしがこんなことをしているということではありませんよ?
あくまでも理論であり、手法です。
今日はこの【返法性の原理】を身近な出来事にあてはめてみました。
ブログでお小遣いを稼ぎたいな~と思っている方、知っていればかならずタメになるので軽く一読くださいませ。
それではかいえん!
返報性の原則
「もらったから返したい」
とりわけ日本人にこの欲求が強いのは風習のせいかもしれません。
お中元、お歳暮、バースデー。
バレンタインにホワイトデー。
頭に浮かぶのはお返しのこと。
もらったんだから返さなきゃ。
バレンタインに至っては返すための日までありますからね。もちろんこれは日本発祥のイベント。ホワイトデーを作った商業界が日本人の習性をうまく利用して物を売ろうとしたのがよくわかります。
バレンタインにホワイトデー。
一粒で二度おいしいというわけです。
こういう書き方をすると「日本人はカネに執着するいやらしい民族」になってしまいますが、そういう面もあるかもしれませんが、そうではなく贈り物をするのが好きな民族でもあります。
そしてそれ以上に真面目でもある。
贈り物をもらった。返さなきゃ。
返さないと失礼な気がする。礼を失してはならない。そう考えるのです。
面白い話があります。
GODIVAを贈るとGODIVAが返ってくる
いい例がバレンタイン
私事ですが、バレンタインにGODIVAのチョコレートを頂きまして。
ふだんGODIVAなんか食べないもんで。
これはえらいことだと早速、GODIVAのチョコを買ってお返ししました。
せっかくGODIVAのお店に行ったのでチョコを多めに買って、他の友人にも配りました。
面白いのはここからです。
友人たちには毎年メリーなどの安い…お得なチョコを渡していました。
返ってくるのも似たかよったか。
コンビニチョコでも気にしない。
だが今年は。
3人にGODIVAを送ったら、3人ともGODIVAを返してきた。
これは実に興味深いデータです。
ふだんGODIVAの店に足を踏み入れないクマがチョコレートを買い、友人達もGODIVAを買ってきてくれた。
GodivaにはGodiva
もちろんGODIVAにはGODIVAを返さなければならないという法律はありません。
では何故、揃いもそろって同じブランドをセレクトしたのでしょうか?
安いチョコじゃ失礼だと思ったんじゃない?
熊ちゃんのいう通り。
安価でも美味しいチョコレートはたくさんあると思いますが、ここではクマはそういうものを選ばなかった。同じくらい良い物を返したいと思ったからです。
チョコレートということで、GODIVA以上のブランドが思い当たらなかったのでそうしました。
おそらく友人たちもそうだったのでしょう。
もしも、みんなに贈ったのがモロゾフのチョコレートだったなら同じくらい有名なゴンチャロフやロイズが返ってきていたかもしれません。
返礼の法則とは。礼には礼で返す。施されたら施し返す。なのね。
お読みくださりありがとうございました。
またね。