この記事では三毛別羆事件で書ききれなかった謎について言及しています。
なぜ惨劇は起きてしまったのか?
ヒグマの恐るべき習性を見ながら事件が悪化した原因を探っていきます。
三毛別事件について考える
もしどこかで惨劇をくいとめることができたとしたら。
この時がラストチャンスだったのかもしれません。
太田家で通夜が行われていた時です。
もし現代の動物学者がその時、現場にいたら。
ヒグマからマユの遺体を取り戻してはならないと教えたでしょう。
村人達はそうと知らずに、自然とヒグマを呼び寄せてしまっていたのです。
ヒグマの習性
この凄惨を極めた三毛別羆事件はのちに専門の学者たちにより分析され、熊の恐るべき性質を裏付ける材料となりました。
火を恐れない
事件発生後、村民はヒグマ対策に火を焚いており、避難先でも多くの焚火が燃やされていました。「野生動物は火を怖がる」からです。
しかしヒグマの場合、太田・明景両家の襲撃にみられるように灯火や焚火などに拒否反応を示さなかった。火を恐れないのです。
執着心が強い
ヒグマは自分のもの、とくにエサに対して強い執着心をみせる。
事件はこの定説を裏づけています。
太田家の奥方を食害した際に食べ残しを雪に隠したこと、太田家に何度も出没したことなど。その一方で馬への被害は皆無だった。このヒグマは女の肉の味を覚えてしまったのです。
ゆえに明景家でも女ばかりを狙った。
逃げるものを追う
明景家で熊にかじられながらも生き残った女性と子どもがいる。彼女たちが九死に一生を得た理由はヒグマが逃げる他の人間に気を取られたためであり、このようにたとえ捕食中であってもヒグマは逃避するものを反射的に追いかけてしまうのです。
死んだふりは無意味
明景家の惨劇において無傷だった子どもたちが他にもいる。気絶して床に倒れた子どもと、結果的には助からなかったが、胎児はヒグマに攻撃されなかった。
これは、ヒグマが動かないものを襲わないというわけではなく、ただ他に食べる物があっただけ。
大人の女性を好んで食べた可能性がある。
事実、妊婦を襲ってはいるが、胎児には手をつけなかった。
一度人の味を覚えた個体は危険
一般に熊は人を恐れます。
できれば会いたくないし、会ったら早く逃げたいと思っている。
人を襲うのは突然、人間と出会ってしまった時。
恐怖心から襲う。
得体のしれない人間という生き物が恐ろしいのです。
だから身を守るために急に襲いかかることがある。
それを防ぐためには鈴などを鳴らして人間の存在をむこうに知らせる。そこに人間がいると分かれば近づいてはきません。もっといえばクマのいる山に入らない。これがいちばんです。
クマと人間の意図しない鉢合わせ。
これにより恐ろしいのは驚いたクマが慌てて人間を攻撃し、学習してしまうことです。
「人間って弱いじゃん。てか、食べられるじゃん?」
クマは学習能力が高い生き物です。いちど人の味を覚えると「人間は弱くて簡単に手に入るエサ」と認識するようになる。
そして人間ばかりを襲うようになります。
だから一度でも人間を襲ったクマは射殺されることが決まっているのですね。人間社会の側からすれば致し方のないルール。むろんクマ側からすればたまったものではありません。
住む土地を追われ、森林伐採でエサも少なく、食べ物を求めて山をおりたら人間に殺される。
生きるためにエサを探しているだけなのに。
ご飯を食べたい。ただそれだけなのに。
やりきれない気持ちになりますが、わたしも人間のひとり。社会の築いた安全対策の上で安穏と暮らしている身では何も言えません。
三毛別事件のまとめ
三毛別羆(さんけべつひぐま)事件については化け物並みに巨大な熊、執念深く何度も人間を襲う部分が怪奇映画のようで純粋に恐ろしいと思いました。
実際に北海道であった話。
怖いです。
⇩三毛別事件は書籍にもなっています。
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